【酵素・タンパク質】キウイの実験からの針金でタンパク質の立体構造づくり
皆さんこんにちは、Yukiです。
今回は、【酵素・タンパク質】における授業展開案をシェアしたいと思います。
第一部:キウイの実験
生徒に提示した文章は以下の通りです。
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用意するもの
- キウイフルーツ (キウイアレルギーの方は、生のパイナップル、メロンでも可、缶詰は不可 無理せずやってください。いつでも相談のメッセージください)
- 寒天粉末
- ゼラチン粉末
実験手順
- キウイフルーツを1/4ずつにカットし、皮をむく。
- そのうち半分(1/4二つ分)を熱湯で5分間煮る。
- 6つの容器を用意する。(1/4がすっぽり入る小さめの容器がベストです)
- 作り方を参考に、ゼラチン一袋には250mlの熱湯、寒天一袋には500ml水を鍋に加えて加熱して液状にした寒天とゼラチンを、5分ほど程冷ました後に容器に加え、冷蔵庫で冷やして以下のデザートを完成させる。
火傷に注意!!!
- ゼラチンのみ
- ゼラチン+何もしていない生のキウイ
- ゼラチン+5分間煮たキウイ
- 寒天のみ
- 寒天+何もしていない生のキウイ
- 寒天+5分間煮たキウイ
レポートの作成
上記6つのデザートの写真を撮り、結果をレポートにまとめてください。
レポートは、この下に続けて書いてください。
レポートに必要な最低限の情報
- 6つのデザートの写真(文章で違いを説明してください)
- 固まり方に違いが起きた理由
作ったデザート、余った材料の使い道は、みなさんにお任せします。
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この実験を通して、「基質特異性」「変性」「失活」を体感させます。
コロナの時期だったので、おうちでやってもらいました。
キウイアレルギーがないか、事前に聞いておくことが大切です。
実験後、生のキウイでもゼラチンが固まってしまった理由として以下の点を推測させました。
1、温度(ゼラチンをさまさず生のキウイの入った容器に入れたなど)
2、容器の大きさ
3、キウイの種類(緑色のキウイの方が、ゴールデンキウイよりもタンパク質分解酵素が多いそうです。)
ゼラチン、寒天は、両方ともクックさんのものを使いました。使い方もわかりやすく、HPに乗っているのでおすすめです。
コロナ下でお菓子作りが流行ったからか、手に入れるのに苦労しましたが。。
第二部:針金を用いた立体模型作り
その後、学校の授業で
キウイの実験の結果を、自身のレポートを見せ合いながら、グループで共有してもらい。
→キウイには、ゼラチンを分解する何かが存在した。
→その何かは、加熱処理をする事によって、、、どうなったのでしょうか?
というフリの後、
キウイに含まれているアクチニジンと呼ばれるタンパク質分解酵素の立体構造を見せます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%83%B3_(%E9%85%B5%E7%B4%A0)
ちなみに英語で、
酵素:enzyme
タンパク質分解酵素:proteinase
です。
数人の生徒は、得体の知れない写真に衝撃を受けます。
(まさかこれがタンパク質だろうとは思わないでしょう、、)
そこから、アミノ酸とペプチド結合の復習をして、
針金を用いた立体模型作りに移ります。
まずこちらのサイトを使って、3Dでいろいろなタンパク質の立体構造を見てもらいます。
万見プライム↓
いろいろなタンパク質が3Dで見れてとても面白いです。
針金ですが、細いものが操作がしやすいです。
αヘリックスはペンに針金を巻きつけて作り、
βシートは紙を矢印の形に切り取って貼ってもらいました。
これが、結構頭を使います。
簡単そうに見えるプロテインGでさえも奥が深いです。
まして、GFPをやろうものならかなりの時間を要します。(生体内でこの折り畳みが正確に行われていると考えると感動ものですね。)
生徒たちには、「タンパク質の折りたたみは複雑で、形が重要なんだ」と分かってもらうことが大切だと思います。
完成したものは、写真に撮ってもらい、レポート用紙に貼り付けて提出してもらいました。(もちろんGoogle Classroomを使ってオンラインでの提出です!)
その後、「基質特異性」「変性」「失活」(←自作のプロテインGの模型を変性させ解説しました)の解説、まとめ。授業終了です。
いかがだったでしょうか?
万見プライム等、ネット環境と生徒自身のパソコンが必要な部分はありますが、
皆様の参考になれば幸いです。