To be a Global Teacher 〜国際バカロレア(IB)と生きる生物教師〜

グローバルな教師になるために 自分が辿ってきた奇跡、経験、これからを書いていこうと思います。

【超おすすめ本】ブラック部活動 レビュー #12

 

 
自分が興味があるトピックであったがゆえに、1日で一気読み。
全教員(特に管理職)、保護者、生徒、いやいや全日本人の必読書であると思った。
 
 
文部科学省が定める学習指導要領には、部活動は「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」とある。
教員にとっても、自主的な活動(教育課程外)
 
部活動は、教員にとっても楽しいから、歯止めが効かなくなる。一種の「麻薬」。
やればやるほど成果が出て、生徒からも信頼され、保護者からも崇拝され、気づけば歯止めが効かなくなっている。
 
教科以外の評価(ゆとり教育の一環)への変換を機に、部活が注目される様になった。
 
自主的な活動にも関わらず、87.5%の学校が教員全員での指導体制をとっている(2016)法制度上、教員は勤務時間外に職務命令をされないのにも関わらず。平日に残業代は出ないし、4時間で休日は3600円(交通費、食費込み)である。残業代が支払われない時点で、労働基準法では違憲状態。
 
部活未亡人。夫の教員が部活動で平日土日も時間を取られるため、家庭での時間がなくなった家庭に取り残された妻のこと。子供の教育に当たる教員が、自身の家庭で子供の面倒を見れないのは皮肉すぎる。
 
中学校教員の6割が過労死ライン(労災が認定されやすくなるライン)を超えている。
 
学校は、労働基準法の「休憩時間」が確保されていない違憲状態。
 
校長からの「顧問就任命令」は「勤務時間外の部活動の指導命令」であり、違憲状態である可能性が極めて高い。「鳥居裁判」(過労により病気で倒れた中学校教諭の鳥居先生の残業をめぐる裁判、鳥居先生側が勝訴
 
素人が教えなければならないという負担。学校が変われば別の部活を担当させられ素人からスタートする可能性もある。一から学び直し、時間もお金もかかる上に、生徒保護者からのプレッシャーもある。加えて、上記の通り、残業代は出ないし、違法的な校長命令によるところが大きい。
 
素人の教員による指導は重大な事故に繋がりかねない。
 
草の根の声、変革を起こすためのネットワークの立ち上げ
部活動改革ネットワーク
 
 
解決策
居場所と競争の役割分担が重要。
全国を目指す人は民間のクラブへ。
部活をしたくて教員になった人も、そちらでの活躍の場が期待できる様になるだろう。
 
部活動を最大3日と規制。(当然、朝練、土日はなし)
特筆すべきは、ほとんどの教員は部活動にポジティブな意義を感じているという点。
教員自身が興味のある分野で、生徒と授業後に時間を共有する試みは、教員という職を魅力的にするのではないか。